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病院事業管理者より(3):地域社会の皆さんと共に新型コロナウィルス感染の再拡大へ備えていきます

 わが国における新型コロナウィルス感染症の流行が収束へと向かい、国も緊急事態の終了を宣言しました。しかし世界的に見れば流行の拡大が続いており蔓延の終息には年の単位が必要とされています。われわれは、まさに「withコロナ」の時代を第二波、第三波に備えつつ過ごさなければなりません。

 草加市立病院は国や埼玉県の要請に応え、市や医師会と連携し感染対応の診療を行うとともに、一般診療で受診される患者さんを感染から守るべく様々な取り組みを行ってきました。それに伴い、幸い院内感染など深刻な事態は生じませんでしたが、外来診療の縮小や待期手術の延期などを余儀なくされ、基幹病院としての機能が一部低下してしまいました。状況の落ち着いている今、中長期的な視点での病院機能の再構築に努め、市民の皆様のご不便を最小化すべく取り組んでいます。

 多くの人々を不安に陥れている新型コロナウィルス感染症ですが、病気への基本的な心構えは他の疾患の場合と同様で、まずは一次予防が大切です。急性感染症ですから“うつされない”“うつさない”ために、3密(密閉、密集、密接)をできるだけ避けることで感染の機会を減じ、これまでにも増して自身の体調管理に気を配りたいものです。

 二次予防(早期発見、早期治療)も重要です。新型コロナウィルスに関する知見が集積し、唾液によるPCRや抗原検査など簡便で精度の高い診断法も保険適用となり、治療薬やワクチンの開発も急速に進んでいます。流行期には誰もが感染のリスクを免れませんが、第一波のように手探りで新型ウィルスへ対峙しなければならないという難しさはもうありません。以前に近い生活環境の中で、自身の体調変化へ敏感になりましょう。公的機関や学会、医師会などからの正しい情報に注意を払い、特に持病の有る方はかかりつけ医と良く相談していただきたいと思います。

 三次予防(病状が明らかとなってからの治療、リハビリテーション)についても、日本の医療技術は優れており、治療成績は欧米諸国に比し著しく良好です。埼玉県でも病状の段階に応じた病床整備が進んでいますので、たとえ新型コロナウィルス感染症と診断されても、医師や関係者から十分に説明を聞き、それぞれ最適の治療を受けていただきたいと思います。

 このような感染症の蔓延はどこかの誰かだけが頑張ることで解決できる問題ではありません。地域社会と行政、医師会、病院・診療所などが一体的に取り組むことが重要です。同時に、他の様々な疾病へ高度で専門的な医療を安定的に供給できる基幹となる病院はその活動を止めてはなりません。当院はそのような立場でwithコロナの時代に当地における医療供給の核の一つであり続けます。どうぞご安心ください。

草加市病院事業管理者 河野辰幸