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病院事業管理者より(4):市立病院は「withコロナ」の時代も診療機能の強化に努めます
令和2年度も半ばを過ぎ、多くの国民を不安に陥れてきた新型コロナウィルス感染症(新型コロナ)の新規発生状況が小康状態となり、新型コロナの性質(病態)と治療法も徐々に明らかとなってきました。それを前提に、わが国は新型コロナに対応した社会生活や経済活動の様々な制約を緩和する方向に舵を切りつつあります。しかし、海外に目を向ければ世界的大流行(パンデミック)は続いていますし、例年冬場に流行するインフルエンザウィルス感染症との重なりには十分な備えが必要です。
市立病院では新型コロナの流行に対して、面会制限や来院時の体温測定、手指消毒の徹底をお願いし、感染症管理区域を設定しての外来/病棟診療を行うと共に「予防外来」を設置するなど、院内感染の発生防止に努めてきました。10月1日からは玄関ホールでのゲート式および顔認証式の体温測定機も本格稼働が始まり、「withコロナ」時代の診療体制は更に充実しつつあります.
しかし、新型コロナ対応のため、外来診療の縮小や入院病床の縮減を余儀なくされ、それは救急患者の受け入れにも影響を及ぼしています。更には学会などの指針に従い、進行したがんと緊急以外の手術や検査・処置を抑制するなどの事態も生じ、患者・市民の皆さまには多大なご迷惑をおかけしています。新型コロナに対する対応体制がほぼ整った現在、当院は再び診療機能の強化を図ることにしました。
市立病院は埼玉県東部南地域における唯一の公的基幹病院として多くのがん患者さんの治療に当たってきました。超高齢社会を迎え国民の2人に1人ががんに罹るという今日、当院は更なる“がん診療の体制強化”が求められています。そのため、各専門診療科におけるがん診療への取り組みを一層強化するとともに、2019年10月から「緩和ケア科」(鈴木友宜部長)を開設し、2020年6月からは専用の「緩和ケア病棟」も活動を始めました。また、2018年にスタートした乳がんに対する「乳腺センター」は外科・放射線科・病理診断科による横断的統合組織として女性乳腺外科医(石原早希子医師)を中心に活動を本格化させています。
それらに加え、令和2年10月から「がん診療何でも相談窓口」の活動を外科内の「総合外科」で行う事になりました。消化器系のがんを中心に大学病院や国内外の学会などでがんの診療・研究・教育に携わってきた私自身がセカンドオピニオン外来とともに担当させていただきます。業務の都合上完全予約制になりご不便をおかけしますが、受診を希望される方はホームページの受診案内をご確認の上ご予約ください。
また、病床の効率的運用を行い、救急要請への応需向上を図ると共に、紹介患者さんの受け入れ手続きの簡略化と逆紹介の推進により医院・診療所等地元医療機関との地域連携を更に強化することで、この地域全体としてより高いレベルの医療サービス提供を実現していきます。
草加市病院事業管理者 河野辰幸