草加市立病院

事業管理者あいさつ


草加市病院事業管理者 河野辰幸
 
 市民の皆様、草加市行政当局や市議会、地元医師会などからの多大なご支援をいただき、地域の強い期待に応えるべく現在地に病院を新築移転してから既に14年が経ちました。この間、新たな専門科の設置による24診療科体制、入院病床数380への増床、心臓・脳血管センターの開設、そして医師会が運営する子ども急病夜間クリニックの敷地内付設など、市立病院における診療の質と規模は大きく向上し拡がりました。また、一時休止していた産科診療の再開が実現したことにより名実ともに地域基幹病院としての基盤が整ったと思います。

 しかし、最近になり婦人科手術の施設基準と診療報酬(保険)請求に係わる問題が明らかとなり、多くの患者さんや関係者にご心配をおかけすることになってしまいました。お詫びするとともに、病院の管理・運営上、また、医療安全の見地から極めて深刻な問題と捉え、第三者を中心とした検証作業を進めると同時に、他の診療を従来通り行いつつ病院全体の診療態勢見直しも行っているところです。

 外科系は身体へメスを入れることにより病気を治し、内科系では副作用もある薬物で治療を行うなど、医療が本質的にリスクを伴うものであることは、残念ながらヒポクラテスの昔から変わりありません。高い効果の裏側には大きな危険性も潜むのが最近の先進医療であるという警告も聞かれます。それだけに医療者は医療安全を重視し、患者中心の医療、患者参加型の医療を忘れてはならないと考えます。「インフォームドコンセント」を「説明と同意」ととらえる時代はすでに過ぎました。病気に関する正しい情報を患者さん自身が十分に理解できた上で自由意志に基づく選択がなされなくてはなりません。「理解と選択」の時代における医療のあり方を考え続けていきたいと思います。

 市行政当局や地元医師会、関連の大学病院や病・医院、そして地域住民の皆様とともに、当院は包括的な地域医療システムの核となるべく不断の努力を重ねてまいります。そして、職員一同、この地に移った時に高く掲げた病院の理念を今一度想起し、安心・安全でレベルの高い医療を提供しつつ経営の健全化を図っていく所存です。

略歴:
1976年 東京医科歯科大学医学部卒業、医学博士 東京医科歯科大学第一外科入局、消化器外科を専攻 同大学外科主任教授、医学部附属病院副院長 その間、ミュンヘン工科大学附属病院、コーネル大学ニューヨーク病院へ留学 2018年4月より草加市病院事業管理者、東京医科歯科大学名誉教授

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