検査科
検査科では、患者さんに対して、最大のサービスを提供し高度先進医療を担う病院として正確かつ迅速に対応できるよう、日々学問・技術の修得に励んでおります。
そのため、職員教育の一環として認定資格取得を推奨しており、認定資格取得者を育成しています。
また、各種検査はもちろん、ICT(感染制御チーム)・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)・NST(栄養サポートチーム)へも積極的に参画し、多岐に渡る機能を担うべく活動しています。
生理機能検査
生理機能検査は、直接患者さんに接して、身体の機能を調べる検査です。検査には、循環器系(心電図など)、呼吸器系(肺活量など)、神経系(脳波など)、超音波を用いるもの(腹部、甲状腺など)があります。
心電図検査

心臓の異常を調べる最も一般的な検査です。心筋梗塞や狭心症、不整脈、心肥大などがわかります。安静状態で記録する検査のほか、踏み台の上り下り、歩行やジョギングを行い、心臓に負荷をかける運動負荷心電図、日常生活における心電図を24時間記録する長時間記録心電図などがあります。
超音波検査

心臓・血管・腹部・甲状腺・乳腺など全身のあらゆる部位の異常を超音波で見つける検査です。検査をする部位によって、食事制限が必要な場合があります。
ABI測定

両手両足の血圧、脈波を測定することで、血管の硬さや詰まり具合を調べる検査です。
肺機能検査

機械に向かって息を吸ったり吐いたりして、肺の大きさや機能、気道の異常などを調べる検査です。
脳波・聴性脳幹反応(ABR)検査
頭にたくさんの小さな電極を装着し、脳の機能的状態を調べる検査です。睡眠をしてもらいながら検査をしたり、音や光の刺激を加えて、検査する場合もあります。てんかんや熱性けいれん、聴力障害や脳幹障害などの診断に役立ちます。
神経伝導速度
糖尿病や整形外科、耳鼻科領域の神経障害をおこす疾患を調べる検査です。手や足、顔に電極を装着して電気で刺激するため、個人差はありますが少し痛みを伴うことがあります。
聴力検査
高い音から低い音まで、どの周波数の音がどのくらい小さな音まで聞こえるかを調べる検査です。その他にも、言葉の聞き取りの検査などもあります。
その他
・尿素呼気テスト
・心室遅延電位(レートポテンシャル)
・皮膚灌流圧(SPP)
・簡易的睡眠時無呼吸検査
検体検査
検体検査とは、患者さんから採取した血液や尿などの成分を分析する検査です。
生化学検査

生化学検査は、血液や尿などに含まれる糖質や脂質、無機質、酵素などを調べることで、体調の変化や各臓器の状態がわかり、病気の診断や治療効果を判定するために欠かせない重要な検査です。
【主な項目】
心臓:CK、CK-MB、BNP
膵臓:AMY、P-AMY
肝臓:AST(GOT)、ALT(GPT)、ガンマ-GTP
腎臓:クレアチニン(CRE)、尿素窒素(BUN)
脂質:T-CHO、HDL-CHO、LDL-CHO、中性脂肪
炎症:CRP
糖尿病:Glu、HbA1c
栄養状態:TP、ALB
一般検査
一般検査は、主に尿と便の検査を行っています。尿検査では、尿中に含まれる蛋白や糖、潜血などを調べる定性検査、顕微鏡を使って尿中の細胞や結晶、細菌などを観察する尿沈渣があり、腎疾患や尿路感染症などの診断に有用です。また、便検査は、消化管からの出血の有無を調べることで大腸がんのスクリーニング検査として有用です。
免疫・血清検査
体外から侵入してくる細菌やウイルスなどの「抗原」に対して体内が抵抗することで、血液中に「抗体」が作られます。免疫・血清検査は、抗原と抗体が特異的に反応することを利用して抗原や抗体の有無や量を調べる検査で、感染症や悪性腫瘍、膠原病などの診断や治療効果を判定するために欠かせない検査です。
血液検査

血液検査は、血液中の赤血球や白血球、血小板などの数や形を調べる検査です。貧血や白血病などの血液疾患の診断や治療効果の判定、経過観察のために欠かせない検査です。
凝固検査
凝固検査は、血液が固まる能力を調べる検査です。心筋梗塞、脳梗塞などの動脈硬化症を基に発症する血栓症の予防や治療のために行われます
細菌検査
細菌検査は、患者さんから採取した血液、喀痰、尿、便などから、感染症の原因となる微生物(細菌やウイルスなど)を特定したり、その微生物に効く薬や効果を調べています。また、ICT(感染制御チーム)・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)に所属し、院内の感染防止対策にも積極的に取り組んでいます。
ー主な検査ー
・細菌培養検査
・抗酸菌検査
・新型コロナウイルスCOVID-19検査(PCR・抗原検査)
・迅速検査(インフルエンザ、RSウイルス、ロタウイルス、ノロウイルスなど)
輸血検査
輸血検査は、患者さんが安全な輸血を行うための検査を行っています。
交差適合試験(クロスマッチ)
患者さんの血液と輸血製剤(輸血する血液)を試験管内で反応させ、固まったり溶血したりしないかを確認する検査です。この検査で安全が確認された輸血製剤を患者さんに輸血します。
血液型検査
患者さんの血液型を調べます。輸血の時は、基本的に患者さんと同じ血液型の輸血製剤を使用します。
不規則抗体検査
患者さんが以前に輸血をしていたり、妊娠や移植をしたことがあると、不規則抗体という輸血製剤と反応して副作用を引き起こす抗体を作ることがあります。この検査では、患者さんが不規則抗体を持っているかを調べ、持っている場合は、不規則抗体と反応しない輸血製剤を輸血します。
自己血輸血
事前に患者さんご自身の血液(自己血)を採血して貯めておき、手術の時に使用します。輸血検査では、自己血の採血と保管管理を行っています。
病理検査
病理検査は、患者さんから採取された臓器や組織、細胞などから標本を作り、病理専門医が顕微鏡で観察し、様々な病気の診断や病態の評価などを行っています。その他、院内にてお亡くなりになられた患者さんの亡くなった原因の特定や治療効果などの判定、病変の確認などを目的とした病理解剖も行っています。
ー主な検査ー
・組織診断
・細胞診断
・手術中迅速診断
・病理解剖
資格取得状況 | ||
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認定超音波検査士 | 循環器 | 4名 |
消化器 | 2名 | |
認定病理検査技師 | 1名 | |
認定輸血検査技師 | 1名 | |
認定臨床微生物検査技師(CMTCM) | 1名 | |
感染制御認定臨床微生物検査技師(ICMT) | 1名 | |
細胞検査士 | 3名 | |
二級臨床検査士 | 微生物学 | 1名 |
病理学 | 5名 | |
臨床化学 | 1名 | |
血液学 | 2名 | |
免疫血清学 | 3名 | |
循環生理学 | 4名 | |
神経生理学 | 1名 | |
緊急臨床検査士 | 13名 | |
有機溶剤作業主任者 | 1名 | |
毒劇物取扱責任者 | 1名 | |
危険物取扱責任者乙種 | 1名 | |
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者 | 1名 | |
ISO15189内部監査員 | 1名 |