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治療抵抗性高血圧専門外来 開設のお知らせ
当院循環器内科では、2026年9月より「治療抵抗性高血圧専門外来」を開設しました。
高血圧の中には、複数の降圧薬を使用していても十分に血圧が下がらない場合や、診察室では血圧が高いものの、自宅や日常生活ではそれほど高くない「白衣高血圧」が隠れている場合があります。
治療抵抗性高血圧専門外来では、こうした患者さんについて血圧を詳しく評価し、現在の治療内容や生活習慣、二次性高血圧の可能性などを確認したうえで、一人ひとりに適した治療方針を検討します。
当外来は完全予約制で、医療機関からのご紹介・ご予約が必要です。
治療抵抗性高血圧とは
一般に、作用の異なる複数の降圧薬を適切に使用しているにもかかわらず、血圧が十分に下がらない状態を「治療抵抗性高血圧」といいます。
血圧が下がりにくい背景には、
• 実際に血圧が高い状態が持続している
• 診察室でのみ血圧が高くなる「白衣高血圧」
• 夜間や早朝に血圧が高くなる
• 薬の服用状況や服用時間
• 塩分摂取などの生活習慣
• 睡眠時無呼吸症候群、腎疾患、内分泌疾患などの二次性高血圧
など、さまざまな原因があります。
専門外来では、単に降圧薬を追加するだけではなく、「なぜ血圧が下がらないのか」を確認することを重視しています。
専門外来で行う主な評価
1.家庭血圧の確認
診察室で測定した血圧だけでなく、普段の生活環境で測定した家庭血圧を確認します。診察室血圧と家庭血圧を比較することで、白衣高血圧などについても評価します。
2.自由行動下血圧測定(ABPM)
必要に応じて、**自由行動下血圧測定(ABPM:Ambulatory Blood Pressure Monitoring)**を行います。小型の自動血圧計を装着し、普段どおりの日常生活を送りながら一定間隔で血圧を測定する検査です。
ABPMでは、
• 昼間の血圧
• 夜間睡眠中の血圧
• 早朝の血圧
• 1日の血圧変動
などを評価することができます。
家庭での血圧測定が難しい患者さんについても、ABPMを利用して血圧コントロールの状態を評価します。
3.現在の治療内容の確認
現在使用している降圧薬の種類や服用方法、服薬状況を確認します。必要に応じて薬剤の種類、組み合わせ、服用時間などについて検討します。
4.二次性高血圧の評価
血圧が下がりにくい原因として、腎疾患、腎動脈疾患、内分泌疾患、睡眠時無呼吸症候群などが関係していないか、病状に応じて検査を行います。医療機関の先生方へ ― ご紹介の目安
利尿薬を含む、異なるクラスの3剤以上の降圧薬を内服している患者さんで、以下のいずれかに該当する場合は、当専門外来へのご紹介をご検討ください。
紹介基準チェックリスト
○ 診察室血圧 140/90 mmHg以上○ 家庭血圧 135/85 mmHg以上
○ 家庭血圧の測定が困難で、血圧コントロール評価のためABPMを希望する
降圧薬について
ここでいう「利尿薬」は、サイアザイド系利尿薬またはサイアザイド類似薬
を指します。
ループ利尿薬、ARNI、MRAは、この紹介基準における利尿薬には含めません。
異なるクラスの降圧薬としては、
ACE阻害薬/ARB、Ca拮抗薬、サイアザイド系またはサイアザイド類似利尿薬
などが該当します。
紹介時点ですべての薬剤が最大用量まで増量されている必要はありません。
腎デナベーション(RDN)について
腎デナベーション(Renal Denervation:RDN)は、高血圧に関係する腎動脈周囲の交感神経にカテーテルを用いて治療を行う、治療抵抗性高血圧に対する追加的な治療法です。
当院では現在、腎デナベーション導入に向けて準備を進めています。
専門外来では、まず家庭血圧やABPM、服薬状況、生活習慣、二次性高血圧などについて十分に評価し、そのうえで今後RDNを含めた治療選択肢について検討します。
将来的にRDNを治療選択肢として検討する患者さんについては、eGFR 40 mL/min/1.73m²以上を目安の一つとします。
注:実際のRDNの適応については、導入後、患者さんの血圧、腎機能、血管の状態、併存疾患などを含めて総合的に判断します。
受診をご希望の患者さんへ
治療抵抗性高血圧専門外来は完全予約制です。
患者さんから直接専門外来をご予約いただくことはできません。
現在高血圧で通院されている医療機関の先生に、
「複数の薬を飲んでいても血圧が高い」
「家庭血圧と病院での血圧が大きく異なる」
「家庭で血圧を測ることが難しいので、24時間の血圧を調べたい」
などについてご相談いただき、必要に応じて当院へのご紹介をお願いします。
治療抵抗性高血圧をより正確に評価し、適切な治療へ
高血圧治療では、診察室での血圧だけではなく、家庭や日常生活における血圧を正確に把握することが重要です。
当院では、家庭血圧、ABPM、薬物治療の内容、生活習慣、二次性高血圧の評価を組み合わせ、血圧が下がりにくい原因を明らかにしたうえで、患者さんに適した治療につなげることを目指します。
治療抵抗性高血圧が疑われる患者さんや、家庭での血圧測定が難しく血圧コントロールの評価が必要な患者さんについて、地域の医療機関の先生方からのご紹介をお待ちしています。
診療開始:2026年9月
診療科:循環器内科
診療形態:完全予約制(医療機関からの予約のみ)

